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デザイナーがチャレンジした「男の銀細工」 [デザインプロセス]

知人の吉田道生(日本サムスン/デザインセンター長)さんより、ユニークな企画の書籍(ムック)のお知らせメールが届いたので掲載します。

「男の銀細工」…タイトルがなんだか硬派ですが、7人のデザイナーたちによる、普段の仕事とは勝手の違う素材を使ったクリエイティブが見られる本です。

『…(略)…これは純銀粘土を使って作品を作ることを紹介したもので、7人のおじさん?デザイナーが、初めての銀細工に挑戦し、そこで使った技法を紹介するという内容が中心になっています。(吉田さんメール本文より引用)』…とのこと。

7人の侍…ならぬ、7人のデザイナーは、南雲勝志さん、白崎達也さん、吉田道生さん、千代田健一さん、竹下俊也さん、若杉浩一さん、多湖賢司さん。ご存知のお名前も多数あるかと思いますが、皆さんの肩書きは、下記のリンク先ページに書かれています。
こういう書籍の場合、立場的に参加についての制約の少ないフリーランスのデザイナーが多かったりしますが、今回は真逆です。南雲さんを除いた6名がインハウスデザイナーです。そういう意味でもとても有意義な試みです。
けっこうハマる人が出そうな印象を受けました。そのうち「銀細工にハマった男たち展」なんて展覧会が開催されたりして…。

【楽天市場】逸品手作り・男の銀細工:グラスロードカンパニー

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ん〜、銀(シルバー)って、同じメタルな輝きだけど、スズ、アルミ、チタン、ステンレスとも違う独特の艶感と色気があって、いい素材ですよね。
タグ:book
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産学デザインプロジェクトの相談にのって感じたこと [デザインプロセス]

「リ・デザインって難しいです」…と、とあるデザイン専門学校の学生が切出してきた。「どういうこと?」…と聞くと、現在進行中の産学プロジェクトの話しだった。デザインについての制約条件が言い渡されていて、それらを考慮して発想しようとすると、どうしても従来のモノと変わらなくなってしまう…と。

デザインは制約条件が無いとカタチにならないから、それらをどうハンドリングしていくかで「誰」の「どんな時に」笑顔が得られる提案になるのか…というふうに考えていけば、発想のきっかけが掴めるんじゃない?…と応えた。学生さんからは「ですよね…。でもそういうふうにも考えてみたんですけど、そうすると増々この制約条件に収まらなくなるんですよぉ」というリアクション。

ん〜、彼らの直面している問題は「何を?=What」の部分だけれど、それを支えるモノ作りの経験(どう作る?=How)が少ないが故に、解決方法のオプションにはおのずと限界がある…という図式。そりゃそうだ、相手はプロのプロダクトデザイナーではない。スキルと制約条件の開きが大きすぎるのだとしたら、プロジェクトそのものが実にならなくなってしまう。そんな本末転倒にならないためには、プロジェクト進行中であっても、柔軟な舵取りができる体制と仕組みで臨めるとベターなのだが、そういうことになっていないケースの方が多いようだ。

プロのデザイナーを入れて、ワークショップ形式を取る。あるいは、ステップで区切って、「産」側のエンジニア達との検討会なども設けて、「刈り取る」のではなく「育てていく」系で進めることもできたはず。もちろんそういうプロセス自体が、両者の「目的」に合致してれば…という制約条件が付くけれど、是非そうなって欲しいと願う。

学生さんとはいろいろ話しをした最後に、「制約条件の少ないコンペ」を紹介した。pdweb主催の『pdwebデザインコンペ2008』。

pdwebデザインコンペ2008(第2回締切:8/31)

明日の暮らしをより快適にしてくれる、モノのあるべきカタチを提案してください。近未来に向けたコンセプトモデルではなく、明日使える製品にこだわりたいと考えます。

応募作品テーマの範囲が広い(家電、乗り物、文具、家具等々)ので、ひらめいたアイデアがあるのであれば、それを提案するには適しているし、第2回の締切は8月31日。前期の課題提出後からの作業で間に合うんじゃない…と。
産学プロジェクトでの行き詰まりも、得意な方法で臨めるこういうコンペに利用することで、新たな発見がでるのでは?。アイデア出しに「勿体ない」は禁物。アウトプットをすることで、ワンランク上のインプットもあるよ…と。


関連エントリー:
「pdwebデザインコンペ2008」受賞賞品が発表になっています
プロダクトデザインコンペ『pdwebデザインコンペ2008』
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「物の価値」を「価値のレイヤー」チェックシートで共有 [デザインプロセス]

考えていることから…。

「デザインの価値」…なんていう言い回しを、(デザイナーだから)自分自身でも時折使ってしまっているけれど、「デザインの価値」だけが、「物」の背後霊のようにふわ〜っと遊離している訳ではないので、「デザインの価値」以外に、それが施されている対象(プロダクトデザインであれば→物)に含まれる価値について、全体的に捉えるようにしないと見誤ると思っている。
もちろん、大手メーカーの商品開発プロジェクトのように、企画、営業等々…いくつものセクションが関所となっている場合は、目が幾つもあるので見誤ることは少ないが、個別の認識にずれがある状態のまま、全体的な話しをしようとする場面に出くわしたことも多い。「評価のための判断基準」という意味でも「価値」の認識はチームクリエイションの場合は特に重要だと感じている。

プロダクトデザインであるなら、重さと手触りと形を持った「物」に含まれている価値全体…ということになるが、塊のままだと、発言する個人の尺度になるので、全体を議論するのであれば、まずは分割して捉え直すべきだろう。
具体的には、「物の価値」を提供者側の視点と使用者側からの視点とで、分けて整理していくことにしている。そうすることで、ずれやギャップを認識できて、課題も見つけやすくなる。無意識に「同じだ」と捉えているところに、全ての問題があるのだから…。

「物の価値」を建物のフロアーに見立てて、その「層」をそれぞれの視点(製造メーカー「M」と使用者「U」)で分け、チェックシートのようなものにしてみた。各フロアーはそれぞれに「対応している層」と捉えているので、[M / 1F]によって提供された価値が[U / 1F]での価値を満たす内容…としている。

[M]提供者側にとっての物の価値
  • 5F:優位性、独創性、競争力…という価値
  • 4F:中長期において自律できる商材…という価値
  • 3F:生活提案、ニーズの統合、洗練度合い…という価値
  • 2F:考案、設計、開発によってもたらされる価値
  • 1F:加工やその技術についての価値
  • B1F:素材や原材料としての価値

[U]使用者側にとっての物の価値
  • 5F:唯一無二の価値/自己実現の価値/アートとしての価値
  • 4F:ステータスや喜び等、豊かな体験につながるブランドの価値
  • 3F:使い勝手、審美性、楽しさ等々…デザインの価値
  • 2F:用途や機能を満たしてくれる、道具の価値
  • 1F:技術力、信頼性…という価値
  • B1F:物質の性能、安全性…という価値

この中では「デザインの価値」は3Fだ。デザイン(を仕事とする)側からすれば、「全てのフロアーで、デザイン!」なのだが、そう捉える傾向にあるのはデザインセクションだけ…という場合も多い。そのため、この3Fに位置している「デザインの価値」は狭義の意味でのデザインとしている。

「iPhoneは?」、「ステンレス製の鍋は?」、「村上隆の作品は?」、「仏壇は?」、「現在開発中の商品は?」…等々、いろいろな物を、MとUのそれぞれの視点から記述してみると、違いや、その偏り方にも特徴が出てくるのが判る。
[M]の最上階である内容が、必ずしも[U]の最上階を満たしてくれる内容にはならないのが、注意すべき点だろう。「誰」について、何の「価値」を向上させてあげるべき「デザイン」なのか…を、チームとして共有できればゴールも見えやすい。

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IVR展でいちばん気になったレンダラーは[Patchwork3D]と[fryrender] [デザインプロセス]

先週、東京ビッグサイトで開催された『第17回 産業用バーチャルリアリティー展』で、いちばん気になったのは、加賀電子ブースでデモを行っていた『Patchwork3D v3.4』と『fryrender』を組み合せたビジュアライズ・ソリューション。

『Patchwork3D』は、フランスのリアルタイムレンダラー。ソフト自身のインターフェースも使いやすそうだし、レンダリングの質も高い。
『fryrender』は、スペインのレンダリングソフトウエア。物理特性に基づいたマテリアル、正確な光源シミュレーションで、Maxwell renderのように、一眼レフカメラの光学・フィルム特性もシミュレーションできるタイプ。

肝となるのは、加賀電子さんが両方に共通で使えるようにしているマテリアルライブラリ。Patchwork3Dでのマテリアル設定が、ほぼそのままfryrenderに引継がれる。検討段階はPatchwork3Dで行い、プレゼンやマーケティングツール向けのビジュアルはfryrenderで…というもの。

プロダクトデザインのビジュアライズでは、各社の製品独自のマテリアル作成とライブラリ化、それらの運用と管理(データと作業者等)がいつも問題になるけれど、そのあたりのワークフローが、よりシンプルに行えるポテンシャルを持っている…と感じた。

もう少し詳しい情報があれば…と加賀電子さんサイト内を探すものの見当たらない。それぞれの開発元のページは発見。日本での展開については?のままだったので、電話で確認。すると「日本国内での展開は今月末から…」とのこと。それまでには、加賀電子さんサイトや、販売店サイト(TOOさん等々)の準備もできるようだ。

『fryrender』はデモ版のCDを会場でもらってきた。時間がとれればテストをしてみる予定。

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Patchwork3D
fryrender

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[ケータイロバの耳(第39回/DIME)]のNECの記事を見て [デザインプロセス]

『それまでNECでは仕様が商品企画で決定した後にデザイナーに移り、「デザイナーさん美味しい料理をお願いします」と任せきりになっていた。つまりデザイナーは美味しい料理を作れと言われるが中華料理かフレンチかを決める場合には参加できなかった。これでは、変化が激しく多様化する消費者のニーズや厳しい競争社会の中では勝ち抜けない。デザイナーは消費者から経営陣までが感動する物語を作るのが本来の役目。消費者のニーズや社会環境の変化を感じとった上で、技術的な裏付けのある未来を語れるのはデザイナーしかいないんです」

[DIME 2008.7.1号(no.13)/ P158 / ケータイロバの耳(第39回)より引用]
見開き2ページに渡る、NECのモバイルターミナル事業部でのイノベーションの一端を伝える記事の中で、一番印象に残ったのがこの箇所だった。コメントを発したのはNECクリエイティブスタジオ クリエイティブディレクターの佐藤敏明さん。

「デザインを一新したい!」…という要望に一番効くのは、デザインやモノ作りのプロセスをゼロベースで見直して刷新することだ。とはいえ、一番の特効薬に首を縦に振る組織の意思決定はどちらかというと少ない。少ないことは、iPodやEeePCのような成功事例が国内メーカーから出てこなかったことに繋がっている。技術的にはなんなくクリアーできるにもかかわらず…。

佐藤さんは判りやすい比喩として「中華料理かフレンチを決める場には…」と話されてるが、これはデザインセクションのスキルや役割からすれば一線を越えた、経営層マターな案件。デザインセクションの中だけで解決できない、組織を横断しての意思決定となることから、変化にネガティブなセクションとは戦いになってしまう。
…とはいえ、こういう部分にメスが入らないと、結果として単品としてのデザインも活きてこないし、わくわくするブランドにも育ちにくい。
佐藤さんを中心にしたチームクリエイションとイノベーションは、「デザインは経営資源」と言われる時代において、(デザインを)価値創造プロセスとして活用するための仕組みとルールを日々積んでいるように感じた。

●追伸:
もう日付が7/1に変わってしまったので、次のno.14のDIMEの発売日。ブログでのピックアップが遅くなってしまいました。ご了承ください。
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Industrial Design セミナー[モノづくりにおける意匠設計とそのデータ活用]は7月31日 [デザインプロセス]

「Industrial Designにおける3次元ツールの最先端活用事例や、モノづくりにおける設計データの様々な活用法をご紹介」…という主旨で開催される『Industrial Design セミナー』。現在、下記のリンク先にて、受講申し込み受け付け中…とのこと。

10:00から18:30までの長時間に及ぶセミナー(受講料有り/資料代、昼食代含む)では、基調講演から、各種の講演(デザイン/ラピッドプロトタイピング/メーカーk事例等)まで、合計8つのセミナーで盛り沢山。

個々のセミナー講師や概要については『Industrial Design セミナー :: プログラム』ページで。

■Industrial Design セミナー『モノづくりにおける意匠設計とそのデータ活用』

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  • 開催日時:2008年7月31日(木) 10:00〜18:30(予定)
  • 会場:虎ノ門パストラルホテル 本館1階 葵の間
  • 主催:Design News Japan(リード・ビジネス・インフォメーション株式会社)
  • 後援:日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)/Product Design Web/誠文堂新光社/ワークスコーポレーション/DETAIL Japan
  • 協力:日本産業デザイン振興会(JIDPO)
[セミナー案内メールレターより引用]


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「妥協を強制されたことはないが、制約は喜んで受け入れてきた」by Charles Eames [デザインプロセス]

昨夜は、六本木のアクシスギャラリーにて、「チャールズ・イームズ写真展」のオープニングパーティーが19:00より行われたので出席した。ギャラリー会場は、チャールズ・イームズ生誕100周年にちなんだ、100のイメージ(写真)が、 100の言葉とともに、パネルに仕立てられ、天井から整然と吊られている展示となっている。

パーティー冒頭で、Herman Miller Japan代表/松崎氏が、100の言葉の中から特にピックアップした…という2つの言葉が紹介された。その1つが…
妥協を強制されたことはないが、制約は喜んで受け入れてきた。

I have never been forced to accept compromises,but
I have willingly accepted constrains.

[ by Charles Eames ]
…というもの。
グッドデザインとして評価されるものには、スタイリング以前に、目的を達成するための優れた課題設定がセットになっている。そういう意味からストレートに読んでもグッとくる、重みのある言葉だ。100の言葉のそれぞれが、とても感じ入ることのできる言葉で、とても心地よかった。

そして今朝、昨夜の「妥協」つながり…という訳ではないが、ブログ「内田樹の研究室」にて「妥協と共生」というエントリーに目が留る。「妥協」という言葉を「武道」から得られた実感をもとに、エントリータイトルにある「共生」との違いについて語られていた。
エントリー後半部分の「他者との共生」についてのくだりにあった『…(略)…ところが相手がいると、ひとりではできないことができる。これを「他者が出現したことによる可能性の拡大」と武道では考える…(略)…』という箇所が、とても心に残った。
前述の「制約は喜んで受け入れてきた」…への理由が、このフレーズからも感じ取れたからだ。

妥協と共生 (内田樹の研究室)

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「和」の要素をプロダクトに反映させるために必要なこと [デザインプロセス]

「自社製品に和の要素を入れたいんですよねぇ…」という台詞は、この4、5年の間に何度も聞いた。
そして、その度にこちらから返した台詞としては「具象ではなく、抽象的に和の要素を入れた方がベターだと思いますよ…」が一番多かった。

補足すると、「(私の捉えている)具象的な和」は、伝統工芸などで過去から繰り返し取り入れられてきた図柄や様式を、ほぼそのまま現代のアイテムに採用する手段。…とはいえ、これでは、あるパーツの表面仕上げの外注先が、現代的な仕上げを行う作業場から、伝統的なものへとスチッチするだけで、根っこの部分から「和」を見直し、考え(スタディ)、吟味して取り入れた(デザイン)ことにはならないと感じている。

加えて、完成したとしても、記号性としての「和」にしかならないし、コストからすれば本物の行程は踏めないため、フェイクとしての仕上げがほとんどだ。確かに話題としての瞬間風速を上げることには貢献するかもしれないが、こういう企画のほとんどが一過性で、それぞれの産地に継続して仕事が流れる事はほとんどないことも鑑みると、結果的に「和」を軽んじてることになりはしないか…といつも思う。

漠然と「和を感じる」時を分解してみると、そのほとんどが、積み重ねられてきた「思想/伝統/文化/美意識/素材/色/形/技法/製法/モノのディテール 等々」…のような要素のリンク(関連性)によるものだった。
一活性でない「和」を取り入れた商品を開発し、現代のライフスタイルへの提案としたいのであれば、これらの要素から、何を目的(ターゲット)に「和」を分解して、「エッセンス」を絞り、新たな趣向と関連性で再構築できるのか…というスタンスと体制が必要だと考えている。

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イノベーターとなりうる中小企業に関する調査報告書 [デザインプロセス]

昨年度の下期から、微力ながら検討委員としてお手伝いさせていただいた「イノベーターとなりうる中小企業の特性を活かした技術開発の推進に関する調査研究」…(とても長いタイトル)の報告書の要旨(A4 / 88ページ)が、調査の委託を受けた「財団法人日本立地センター」のWEBにアップされた。

中小製造業におけるイノベーション創出の障壁となっている(…であろう)地域毎、業種毎の現状を、アンケートとヒアリングを主なソースとして調査研究の成果をまとめたものだ。

調査対象としてフォーカスされた地域は、産業の集積、デザイン支援での差異がみられる3つの地域。
ITの集積度の高い「札幌圏」と、全て(中小企業/デザインクリエーター/第3次産業等々)が集積している「首都圏」に、中小企業間の水平連携が強く見られ、デザインクリエーターのマッチング事業も盛んな「大阪圏」を加えた3カ所だ。

報告書のダウンロード(PDF)は、日本立地センターWEBトップページの真ん中あたり、ブルーの帯「Topics」欄から。
中小企業とデザインの取り組みについてのデータからは、今の日本のモノ作りの背景が垣間見れる。興味のある方は是非!。

財団法人 日本立地センター

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中小企業のデザイン導入が成功するために… [デザインプロセス]

何種類もの異なるブランドで外食産業を手がけるような企業が、更に新しい外食ブランドを立ち上げて、その第1号店をオープンさせるまでの物語があったと仮定する。そしてその中の看板メニューが決まらず、関係者一同焦りの色が濃くなる中で、時間だけが過ぎて行く…のが第一幕。いくつものアイデアと試作が重ねられたが、決め手になるメニューが出てこず、窮地に追い込まれる…のが第2幕
それじゃぁ…ということで、オープンまでの限られた時間の枠内で、あるスタッフのアイデアに決済が降り、とある、小さなレストランを営むオーナーシェフに相談を持ちかける…のが第3幕。
そして物語は進み、衝突や和解、それらを超えて共有できた経験などが積み重なり、紆余曲折はあったものの…結果として看板となるメニューが決まり、新ブランドの船出はぎりぎりで好スタートを切った…のが第4幕。

「看板メニュー」が「モノのデザイン」に置き換わった…とすれば、この物語は、企業が外部のデザイナーにデザインを依頼してエポックメイキングなデザインを産んだ開発物語にもなるかもしれない…20年前ならば。

この物語も、今の時代の文脈からすれば、外部を使うにしても、依頼する以前から出来る(仕組む)ことがあるだろう…ということになる。生産の仕組み(How?…への答え)が、デジタルデータのハンドリングを軸に、一気通貫できるような環境になったからこそ、そこまでの「What?」についてもプロセス化が必要だ。ただし、注意点がある。生産システムではないから、ロジカルに偏らない、クリエイティブの化学反応が起きやすくなるような仕組みとして…だ。「デザイン」は「How」への最初の回答だけれども、それ以前に「What」への回答でもあるのだから…。
こういう内容を中小企業の方々に伝わるように情報伝達をしていかなければならないが…そこが難しい。
今年前半の自分のテーマになっている。


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