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「和」の要素をプロダクトに反映させるために必要なこと [デザインプロセス]

「自社製品に和の要素を入れたいんですよねぇ…」という台詞は、この4、5年の間に何度も聞いた。
そして、その度にこちらから返した台詞としては「具象ではなく、抽象的に和の要素を入れた方がベターだと思いますよ…」が一番多かった。

補足すると、「(私の捉えている)具象的な和」は、伝統工芸などで過去から繰り返し取り入れられてきた図柄や様式を、ほぼそのまま現代のアイテムに採用する手段。…とはいえ、これでは、あるパーツの表面仕上げの外注先が、現代的な仕上げを行う作業場から、伝統的なものへとスチッチするだけで、根っこの部分から「和」を見直し、考え(スタディ)、吟味して取り入れた(デザイン)ことにはならないと感じている。

加えて、完成したとしても、記号性としての「和」にしかならないし、コストからすれば本物の行程は踏めないため、フェイクとしての仕上げがほとんどだ。確かに話題としての瞬間風速を上げることには貢献するかもしれないが、こういう企画のほとんどが一過性で、それぞれの産地に継続して仕事が流れる事はほとんどないことも鑑みると、結果的に「和」を軽んじてることになりはしないか…といつも思う。

漠然と「和を感じる」時を分解してみると、そのほとんどが、積み重ねられてきた「思想/伝統/文化/美意識/素材/色/形/技法/製法/モノのディテール 等々」…のような要素のリンク(関連性)によるものだった。
一活性でない「和」を取り入れた商品を開発し、現代のライフスタイルへの提案としたいのであれば、これらの要素から、何を目的(ターゲット)に「和」を分解して、「エッセンス」を絞り、新たな趣向と関連性で再構築できるのか…というスタンスと体制が必要だと考えている。

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