デザインの「まる投げ」でないプロセスのために [デザインプロデュース]
「工業デザインが施されたモノ…」の実現(製造&販売)を望んでいる中小企業ほど、「生むこと」以前の、それらが置かれている環境をまず見直して改善しませんか…という提案には耳を傾けてくれなかったりする。
デザインさえ一新すれば…と思っているのだろう。それだけでは、たとえ瞬間風速は上げられても長続きはしない…というのに。
誰しも「医者の不養生」的なことはある。成人病の改善には日常生活の改善があった上で…だろうし、不摂生の極みに加えて、その人の食環境が乱れていてのダイエット…も本末転倒だ。…にもかかわらず、「まる投げ」や「これさえやってれば…」のような処方箋ばかりに走ってしまうのをよく見聞きする。まったく「勿体ない」。
ワークフローが細部まで見えていて、成果の判断基準も共有できているのであれば、作業部分の「まる投げ」は効果を発揮するのだけれど…。
RPG(Role-Playing Game)系のソフトの楽しみは、仕組みとルールが徹底しているからだ。言い換えれば、制約条件があるから自由になる部分が際立つ…ように構築されている世界だろう。これは何もバーチャルな世界だけでは無い。モノ作りのプロセスに置換えれば、RPGをプレイするのは「特定の人」ではなく「モノ作りプロジェクト」自身だと思う。それらが、気持ちよく進めば、結果もシンクロする。
喜ばれる商品を生んで、長く贔屓にしてもらえる環境(仕組みとルールとコミュニケーション)を整える…そういう段階から、デザインディレクター(デザイナーでなく)として係わることの重要さを痛感している。
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