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中小企業のデザイン導入が成功するために…その2 [デザインプロデュース]

かなりターゲットが絞られるラーメン店がある。食べに行くようになってから、ほぼ20年近く経つ。その間、その店の主人の子供達も成人し、私のところの息子も14になった。万人(老若男女)受けする味ではない。看板メニューは味噌ベースのラーメン達。スープは濃厚豚骨ベースで、にんんくとトウガラシもガツンと利いてる。何年も通ううちに好みを把握されて、いつしか普通の倍以上の量のトウガラシが入るスペシャルタイプを出してくれるようになった。支店は無いが、好みに合う人達からはとても好かれている。時折、どうしてもリピートしたくなる…そういう私の好みを満たしてくれる重要な店だ。

「生産と消費」がほぼ同時に行われることの多い飲食店のビジネスモデルは明解だ。規模とコストのバランスも考えやすい。喜んでくれるお客さんがあっての商品とサービス。その原点にあるのが飲食店だろう。

こういう例からも、「どのようなモノやサービスを」「どういう好みの人に」「どういう提供の仕方」で楽しんでいってもらうか…の全ての要素が「モノのデザイン」意外でも、どれも欠くことの出来ない項目だということが判るはずだし、そういう目的達成のために、全ての仕組みをゼロベースで構築しようと欲すれば、結果はついてくる。街角のラーメン店から、高級ブランドのブティックまで、根底にある物事は同じだ。

マーケティング思考のあるデザイナーであれば、商品企画の段階から会議に出席してもらう方が良いに決まっている。その方が、デザインワークへの移行もスムーズだし、ブレが少なくて済むからだ。ただ、デザイナー本人を外から見てるだけでは何も判らない。ましてや外部のインディペンデントなデザイナーであれば尚更で、メディアに掲載されている情報だけでは、困っている事を一緒に解決してくれる相手かどうかは皆目分からないだろう。結果、「暖簾しか出ていない銀座の寿司屋に初めて入る感じだった…」という比喩で、デザイン事務所に初めて訪問したときの出来事が語られたりする。

いろいろなレベル(行政や民間等々)で企業とデザイナーのマッチングについての試みは行われ始めているが、マッチングについての評価する基準を(企業側が)持っていないが故に失敗する話を見聞きするし、私自身も過去において残念な結果に終わった経験が一度ではない。
プロダクトデザインの世界でも、デザインディレクターとデザイナー、その両輪で動く(商品企画や開発を含んだ…)仕組み作りが、まだ足りていないと感じている。


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デザインの「まる投げ」でないプロセスのために [デザインプロデュース]

「工業デザインが施されたモノ…」の実現(製造&販売)を望んでいる中小企業ほど、「生むこと」以前の、それらが置かれている環境をまず見直して改善しませんか…という提案には耳を傾けてくれなかったりする。
デザインさえ一新すれば…と思っているのだろう。それだけでは、たとえ瞬間風速は上げられても長続きはしない…というのに。

誰しも「医者の不養生」的なことはある。成人病の改善には日常生活の改善があった上で…だろうし、不摂生の極みに加えて、その人の食環境が乱れていてのダイエット…も本末転倒だ。…にもかかわらず、「まる投げ」や「これさえやってれば…」のような処方箋ばかりに走ってしまうのをよく見聞きする。まったく「勿体ない」。
ワークフローが細部まで見えていて、成果の判断基準も共有できているのであれば、作業部分の「まる投げ」は効果を発揮するのだけれど…。

RPG(Role-Playing Game)系のソフトの楽しみは、仕組みとルールが徹底しているからだ。言い換えれば、制約条件があるから自由になる部分が際立つ…ように構築されている世界だろう。これは何もバーチャルな世界だけでは無い。モノ作りのプロセスに置換えれば、RPGをプレイするのは「特定の人」ではなく「モノ作りプロジェクト」自身だと思う。それらが、気持ちよく進めば、結果もシンクロする。
喜ばれる商品を生んで、長く贔屓にしてもらえる環境(仕組みとルールとコミュニケーション)を整える…そういう段階から、デザインディレクター(デザイナーでなく)として係わることの重要さを痛感している。


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うまくいく商品開発には、ほとんど全てに共通点がある [デザインプロデュース]

モノ作りに対して真摯に取組む場が国内に点在(クラスター含む)していて、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)を頂点とする旺盛な消費地があり、それらを繋ぐ各種のメディアと流通網も揃っているのが日本。それもハイテクから、それらを支える技術などから、地方の伝統工芸まで多彩な品揃えが、それぞれの寿命のもと、入れ替わり、立ち替わり登場しては消えていく。

まるで熱帯雨林のジャングル地帯のような生態系のイメージ。
巨木は目立つだけでなく、多様な動植物の生育に必要な環境にもなっている。生存競争はおのずと激しいが、ある意味で健全な状態。巨木も、菌類たちとの共生関係で巨木でいられるし、環境変化によっては、新種の動植物が、新たな生存戦略をもって、登場したりする。

うまくいく(デザイン開発を伴う)商品開発には、ほとんど全てに共通点がある。裏返せば、うまくいかなかった開発にも、ほとんど全てに共通点がある…ということ。顕著に現れるのは、中小企業と地域産業の分野。

その差はどこにあるのか…。

うまくいかなかった事例を見聞きすると…あるところでは、デザインディレクターの不在…という声。あるところでは、デザイナーと製造業のミスマッチ…という声。また、そういう試みに対しての(デザイン支援の)国策が無い、あるいは乏しい…という声。出かけていく場所や、人の種類によっても様々な声が聞こえてくる。

この手のエントリーを分類するカテゴリーを作っていなかった。
範囲を広く扱うために「デザインプロデュース」というカテゴリーを新たに追加。今までの経験からのエントリーをこのカテゴリーに記します。


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