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和ステーショナリーの「水滴」は水滴フォルム [デザインソース]

窓を開けると、秋めいた風にキンモクセイが香ってくる、ここ数日。せっかくの秋の訪れを実感させてくれる数日間のインスタレーションも、「なんか、トイレの匂い〜!」と言いながら走り去る小学生の一団に出くわすと、消臭剤メーカーの罪の重さを実感します。
合成された香りに慣れてしまうと、自然の香りに鈍感になるのでしょうか…。ちょっと寂しですが…。

このところデジタル系エントリーが続いたので和っぽい話題で…。

「水滴」…と書くと、水のしたたる様子や雫が頭に浮かびます。秋の草の葉の上に、雨粒が水滴となっている様子は、可愛らしく、美しいものです。表面張力というルールに基づいた造形は、作為の無い滑らかな曲面を生成します。3DCADにも「表面張力で面を貼る」なんてコマンドがあったら情緒的な曲面が作成できるかも…。おっと、デジタル系でない話しでした。方向修正です。

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「水滴」…は、文房具としての意味もあります。「硯滴(けんてき)」や「水入(みずいれ)」とも言われるこの道具は、硯に水を供給する際に使用される、手のひらに乗る小さな容器です。陶磁器あるいは銅製が多いようです。

出張でよく出かける富山県高岡は「銅器の町」。モダンなデザインの世界にばかりいると見過ごされがちですが、目を凝らしてみて見ると、現代の生活空間でも立派に通用するデザインを見つける事ができます。
ちょうど、今頃の季節の柿の木の枝に実る、熟す前の青い柿がモチーフになっていると思わせる「水滴」を見つけました。柿のヘタの部分に空いた水入れ口を親指で塞いで、一滴二滴と水の微妙な量を調節しながら硯に水を足す…という使い方。モチーフは一見、具象的な扱いに見えますが、「リアル柿」をトレース…という訳でもない感じ。この微妙な抽象化が道具に趣を与えています。水滴のようなフォルムの水滴…でしょうか。
こういう和の道具達でさらさらと水墨画のように、デザインスケッチをしてみたいものです。

IMG_00511_3.jpg


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