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新書「サブリミナル・インパクト」と「世界は分けてもわからない」 [ウォッチング]

先日書店の新書コーナーにて、1冊の背表紙タイトルに目が留ったと同時に手にとった。『サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代』だ。
目次を開きながら「おぉ」と気がついた。まさにサブリミナル・インパクト!。ページを開きながら「どこかで…」と感じていたことが急に繋がった。数日前にマイミクの女性デザイナー(仮にMさんとする)さんがこの本のレビューを書いていて、それに目を通していたことを想い出したからだ。

デザイナーとして仕事をしていれば、特別に意識してなくても体感的に身体が判っている内容なのだけれど、興味を引く章立てになっていた。序章の『心が先か身体が先か ー情動と潜在認知」に始まり、『第1章:快はどこからくるのか』『第2章:刺激の過剰』…という現代社会から読み取られた内容を受け、『第3章:消費者は自由か』『第4章:情動の政治』で掘り下げられている。
4章最後に書かれている「まとめ」の文章内にあった「現代人は、過剰と誘導と操作と制御に晒されています」には、同感だ。そして最後の第5章は『創造性と「暗黙知の海」』で、ここでクリエイティブについての論が展開されている。

著者自身による「あとがき」の中では、「一冊の新書のまとまりとしては、いささか空中分解寸前ではある。だが…」という書き方でこの本の狙いについて書かれていた。「環境の動物」…と言われる人間。そういう意味では、ほとんど全ての(自分自身の)決定が環境との呼応で決まってるなぁ…と実感。興味のある人、デザイナーにはお薦めの書。


サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

  • 作者: 下條 信輔
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 新書



もう1冊、興味を惹かれたのが『世界は分けてもわからない』だ。
これは『世界は「メカニズム」では説明しきれない:日経ビジネスオンライン』で、著者の福岡伸一(青山学院大学教授)さんへのインタビューとともに紹介されていた1冊。「物事を細分化することと、物事がわかることは、同じではないのではないか、という考えが科学界において現れてきている」…という内容から書かれた書籍とのこと。インタビュー文の「科学は言葉によって世界を分け、その構造を取り出して見せました。しかし、実際に存在すると思わせてしまうその構造は、空耳ならぬ“空目”かもしれない。…(略)」という一文が印象的。

デザイナーとして仕事をしていれば、こちらの内容も体感的に知ってること。商品開発に於ける、データ収集から解析まで、とかく分類して精査して…と進んでも、必ず感動できる提案に繋がらない…という事例として。こういう内容をデザイン系の人が’語るのではなく、分子生物学の教授の方が語るのが興味あるところ。前述の書籍の著者もカリフォルニア工科大生物学部教授。
こちらの新書はまだ未読。今週のどこかで入手予定。


世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

  • 作者: 福岡伸一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/17
  • メディア: 新書



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