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渡辺英夫さんのデザイン・マネジメント論『超感性経営』 [デザインプロセス]

表参道の駅からすぐのところに、フリーランスになる前に勤めていた黒川雅之建築設計事務所の仕事の帰りに立ち寄っていた居酒屋「甚六」がある。何年ぶりだろう…先週金曜の夜、その甚六に招集がかかった。黒川事務所OBの中でも、ほぼ同じ時代を共有していた兄弟のような連中だ。建築家が3名。プロダクトが私を入れて2名の計5名。歳は41〜44の間。

暖簾をくぐると当時と変わらない空間と匂い。カウンター奥にいたマスターから「よう!」と声がかかる。いやいや…タイムマシンに乗って10年くらい戻ってしまったような感覚。これがやばかった。当時のようなペースで飲んでしまい、翌日の土曜日はJIDA総会だったけれど、あやうく寝過ごすところだった。

その席で、5兄弟の中では最後まで黒川事務所に在籍していた阿部克彦(あべちゃん)が、渡辺英夫さんの書籍「超感性経営」が6月1日発行になった…ということで持ってきていたので見せてもらった。
書籍の帯には、ソニー相談役の大賀さんの言葉で『世界初、道具に"感動"という魂を吹き込んだソニーデザイン。その背景には、トップの理解力、さらに完成と知恵をみごとに束ねたデザインマネジメントがあった』…とある。

渡辺さんは昨年秋に病気で急に他界されてしまった。「てぇっちゃぁ〜〜ん(だみ声調で…)」と私の顔を覗き込みながら、でバンバンと背中を叩かれたことが懐かしく想い出された。ソニーを退職されてから、パーティー会場や黒川事務所でお会いする程度だったけれど、渡辺さんが時折熱く語っていたデザインマネジメントについての想いやメッセージは心に残る物が多かった。
それが今回、「超感性経営」編集委員会の方々(天沼昭彦さん、桐山登士樹さん、紺野登さん、関 康子さん、田村進一郎さん、松本 康さん)のご尽力によって、机の傍らに置いておける書籍となったのはとても嬉しい。

感性と論理性…クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキング、単純な2項対立ではないこのせめぎ合いが無くては、グッドデザインは生まれでない。そのためのマネジメント。「目利・予測・説得のチカラ」が現代ほど必要な時はない…強く実感させてくれた書籍です。


超感性経営―ソニー伝説のストラテジストが授けるデザインマネジメント・メソッド:25

超感性経営―ソニー伝説のストラテジストが授けるデザインマネジメント・メソッド:25

  • 作者: 渡辺 英夫
  • 出版社/メーカー: ラトルズ
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本



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