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『デザイン・リサーチ・メソッド10』が先週発刊になりました [デザインプロセス]

ある目的を持って計画・実行されたリサーチからは、キーとなる項目が発見できる。一見些細に見える内容であっても、気づいていなかった項目であればあるほど、プロダクトデザイン開発にとって重要な示唆(方向性/コンセプト)となる。

中堅以上の企業の中には、リサーチは専門の会社に丸投げで、最初のブリーフィング以降は、最後のリサーチ結果レポート納品まで会わない。おまけに、そのレポートの物理的な厚みがものを言う…などという話しもよく耳にする。

世は森羅万象だ。ジャングルの全てを一気にリサーチすることはできない。迷子になるならまだしも、リアルジャングルであれば生きて帰れる保証はない。スキューバダイビングでは「サーチアンドリカバリー」という方法があるが、それも目的と範囲が限定されて始めて機能する。にも係わらず、リサーチへの認識はまだまだ浅い。リサーチ内容の設計や計画こそが、デザインの最初の一歩であるのに…。

ここ数年は特に、デザイナーではなく、デザインディレクターとしての仕事の方で痛感するようになっていた問題意識だったのだけれど、そういう状況に1冊の書籍が先週(6月10日)登場した。『デザイン・リサーチ・メソッド10』だ。おまけに、以前から仕事で繋がりのあるトリニティ株式会社(東京都千代田区)と、日経デザイン編集部との共同企画としての出版とのこと。リリースからの引用を下記にペーストします。
IMG_00666.jpg

デザイン・リサーチ・メソッド10(リリースから一部を引用)

本書は明確なデザインの方向性をリサーチから導き出すことが注目される中、アメリカを代表するデザイン・ファーム、IDEOや建築家のレム・コールハース率いるAMO等、海外のデザイン事務所10社のデザイン・リサーチ・プロセスを実際のプロジェクト事例を通して解説する日本で初めてのデザイン・リサーチに焦点をあてた書籍となっております。
  • 独自の調査から製品化に至るまでのデザイン・リサーチ・プロセスを、実際のプロジェクト事例で解説を通して英・伊・米・韓の海外の10社に取材
  • 従来の消費者調査やデザインワークでは導き出せない、“次代の製品デザイン”を描き出すデザイン・リサーチ手法を徹底解明
  • 英国航空、プラダ、コカコーラ、日立、パナソニック他、トップレベルの事例を紹介


私自身が言い出しっぺをしてスタートした、JIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)の「デザインプロセス委員会」。その今年度の勉強会の時に、この書籍の企画から出版まで…というのをピックアップしてみるのは、いいかもしれない。まだトリニティーさんへは打診してませんが…。
A4変形判、約150ページが発信するデザイン・リサーチの事例&解説書。興味のある方は参考書として最適です。高めに感じるか方も多いかも…と思われる定価は(推測ですが)発行部数に関連してるのでしょう。それこそ、まだまだ世の中の認識の低さ…かと。デザインに係わる職種から、プロセスの重要さを計画とともにプレゼンして承認してもらう…。そういう環境を構築せねば…と感じている今日この頃です。

トリニティ株式会社

追記:
6月第1週は、インテリアライフスタイル展出展。第2週は、JIDA年次総会&東日本ブロック総会(準備と運営)と慌ただしく、通常ワークに若干支障が出てしまいました。各方面の皆さん、トホホ…な状況、今週取り返します…(^_^;)。



デザイン・リサーチ・メソッド10

デザイン・リサーチ・メソッド10

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2009/06/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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tetsutaro

ラジオパーソナリティー海成さん、nice!をありがとうございます。

by tetsutaro (2009-06-15 23:42) 

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