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日芸インダストリアルデザインコース「軽井沢セミナー」 [プロダクトデザイン]

日大芸術学部インダストリアルデザイン(以下ID)コースの「軽井沢セミナー」に参加のため、予定より遅れたものの(昨日エントリー参照)、小雨降る軽井沢駅に到着…時刻は20:30。
今年で4回目の参加だが、この時間に軽井沢駅着くのは、仕事でもプライベートでも始めて。毎年会場として使われているのは「日本大学軽井沢研修所」。新幹線の線路沿いの道から、林の中に建つ研修所エントランスまでのアプローチは湿った新緑と土の匂いが充満している。身体が芯から洗われるよう。

「軽井沢セミナー」は、IDコースの学部生1〜4年までが、縦割りのグループ(約10個)でデザインに取組む、過去30数年続く伝統的イベント。
セミナーは2段階で進行。スタートは、セミナー10日程前に通達される調査テーマに沿ってのリサーチで、グループ毎の調査から考察し、重要なポイントを導きだして、結果をパネルにまとめる…という第1段階。続いては、リサーチパネルとともに集合したバス内で発表されるデザインテーマに基づき、3泊4日の期間で仕上げる各個人のデザインワーク…という第2段階。教授と専任講師陣が検討した今年のデザインテーマは…「マガジンラック」。

一昨年のテーマだった「ハンディークリーナー」のような内部にメカがあるようなアイテムではない。戸惑いもあるようだけれども、身近なテーマ。ノルマであるA2のPMパッド40枚の手書きスケッチは順調に手が動き、進みはよかったようだ。
最終提出は、デザインをA2のPMパッド4枚にまとめた手書きのマーカーレンダや図面等。締切は日曜の朝7時のため、学生は徹夜で自分のデザインを仕上げる。私は夜中の3時過ぎまで、各部屋や廊下でスケッチしている学生をアドバイスしつつ見て歩き、その後仮眠。
朝食後が審査の時間。100を超えるマガジンラックのデザイン案はバラエティーにとんでいる。受賞案に共通したのは、生活シーンの中でのユーザーとモノとの関係に、リアリティがあり、共感を伴うイメージに裏打ちされていたものだ。

画像は10:30から行われた審査結果発表と好評会の様子。最優秀賞、優秀賞1席〜3席、奨励賞、スケッチ賞、グループ賞など、表彰状と商品の授与があり、講師陣の好評が続く。専任講師で10年以上前からの交流が続いているデザイナー佐藤徹さんは表彰式終了後、一足先に研修所を後にした。聞けば夜の成田発の便でドイツへ向う…とのこと(この話しは次回のエントリーで)。

入学後数ヶ月しか経たない1年制にスケッチやレンダリングを指導した4年生。グループ内を叱咤激励して活気づかせていたグループ班長さん。卒業し、社会人となっても駆けつけれくれたOBの皆さん。お疲れさまでした!。

学生の皆はバスで池袋に。休憩ポイントまでは爆睡につぐ爆睡だろう…と思いつつ、私は新幹線で帰宅。

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帰宅後、Googleリーダーでニュースをチェックしていたら『「Smith」は同時にワゴン、本棚、サイドテーブル又はスツールでもある。 - コンセプター坂井直樹のデザインの深読み - Yahoo!ブログ』にて、セミナーテーマと条件(10kg程度の雑誌量の耐え、持ち運び、移動がスムーズ等)に近いプロダクトが紹介されていた。2007年度のミラノサローネでDANASEから発表になったデザインだ。素材の特性と用途などがうまく統合されている、好感の持てるデザイン。学生の案にちょっと欠けていた素材とディテールへの考察…。こういう「Smith」のようなデザインをお手本に、もっと学んでくれれば…と思う。

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DANESE MILANO SMITH(design by Jonathan Olivares , 2007)

●関連エントリー:動く家具にフォーカスしたショップがあってもいいのに

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