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デザイナーは職種名だけれど、実は気質なのだ。 [デザインプロセス]

デザイナーという職種は、あるテーマに沿ってアイデアを出し、それらを視覚化(ビジュアライズ)した後、具現化(リアライズ)していく仕事だ。
私も含めて、プロダクトデザインを仕事としている人は、若干の違いはあるにせよ、ほぼ、この流れで仕事をしている。

そういう職種に付く人は(私も含めて)、ちょっと厄介なのだ。
何が「厄介」かと言うと、情報や素材が目の前に現れた途端、すぐに動き出したくなる衝動に駆られてしまうタイプだから。

こういう性質は、デザインを学んでくる途中で形成されたものかもしれないが、かなりの確立で、それ以前から持っていた人が多い。私の身近のデザイナー達は、圧倒的にこのタイプ。

旬の素材を前にした料理人のように、最適な加工方法や提供方法を、あれやこれやと思案し始めてしまうし、場合によっては手を動かして作り始めてしまう。こういう性質…というか気質は、何もデザイナーという職種の専売特許ではないのだが、仮に「デザイナー気質」と表現してみる。…と、どうだろうか、他の部署にも、似たような「気質」の人を発見できるのではないだろうか。エンジニア人達の思考プロセスは、実は(プロダクト)デザイナーの思考プロセスと重なりが大きいから、きっと同様の「気質」の人は見つかるだろう。

こういう気質の人種を動かして、期待以上の成果を上げてもらうにはどうすべきか?。

先日も、とある席でメーカーの方が、「どうもうちの(インハウスの)デザイナー達は…」と、若干嘆き気味に漏らしていた方の話しを耳にしたが、こういうケースの場合、デザイナーのスキルに問題があるのではなく、デザイナーを動かすための「内的な情報(商品企画や目標設定、評価基準等々)」と、「外的な情報(世の中の観察)」が足りていないことが多い。

デザインのビジネス上での活用において、「生み出されたデザインそのもの」「デザインを生み出した本人」…に目が向いてしまいがちなのは判るけれど、それらよりもっと「生み出される環境」について策を見出すべきだと常々感じている。商品開発での意思決定プロセスや判断基準、成果についての評価やキャリアパス…。
モノ作りのシステムを変えずにデザインだけを変えようと目論んでも、最後の段階で振り子が過去の成功体験側に振られて、元の木阿弥…。セクションの長が変わるたびに繰り返していられるメーカーがあるのであれば、まったく羨ましい話しだが、これからの10年では通じない。

プロセスが変わればデザインは変わる…。なんで判らない人がいるのかが、判らない。…なんていうことが、更に気になるこの1ヶ月。

●追記(2008-09-03 00:40)
NPO法人 メイド・イン・ジャパン・プロジェクト主催のセミナー『日本のモノづくりに必要なコト ~ 現代のモノづくりに必要なデザインと環境意識の考え方~』は、日付が変わったので、今日…とのこと。当日でも入れるのかな?。セミナー開始時刻は18:30で有明ワシントンホテル3F。詳細は下記のリンク先にて。

●関連リンク:いよいよ明日にです|東京ミッドタウン「THE COVER NIPPON」社長のブログ ~メイド・イン・ジャパン・ブロジェクト~

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SKY CRUISER

デザインが生み出される環境を整えることが重要・・・。

なるほど、そう思います^^
by SKY CRUISER (2008-11-05 23:20) 

tetsutaro

アップル本社を見学させてもらった知人の話しによると、伝え聞いていたように、会社という空気感よりは、大学っぽい空気感だったとのこと。
「何かを生む」ための環境ってちゃんとあるような気がしてます。

「うむ(umu)」ってタイプして変換したら最初に「有無」が出てしまったのですが、「生む」「有無」「膿む」…みんなumuなんですよね。
「有るか無いか…」のところがあるから「生まれる」のかなぁ…と。勝手な解釈ですが…。

by tetsutaro (2008-11-06 00:09) 

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